見えないつながりが支える森と気候

2026年2月1日の日経新聞の朝刊サイエンス面に興味深い記事が掲載されていましたので紹介します。

記事が伝えていたのは、森林減少や地球温暖化の問題を、これまでとは少し異なる視点から捉え直す科学研究の動きです。森林保全というと、伐採の抑制や植林がまず思い浮かびますが、近年の研究では、動物や昆虫、さらには微生物といった、これまで注目されにくかった存在が、気候変動と深く関わっていることが示されつつあるといいます。

紹介されていた研究の一つでは、種子を運ぶ哺乳類や鳥類が減少すると、森林が二酸化炭素を蓄える能力が大きく低下する可能性が指摘されていました。熱帯林を対象とした調査から、多くの樹木が動物による種子散布に依存している実態が明らかになり、動物の減少が森林の再生や若返りを妨げる恐れがあるとされています。森林の力が弱まれば、温暖化がさらに進むという悪循環につながりかねません。

また、気温の上昇に伴い、植物がより涼しい地域へ分布を移そうとする際にも、動物が果たす役割は重要だといいます。動物が種子を運ぶことで、新たな環境に森林が成立してきましたが、その担い手が減ることで、植物が環境変化に適応する力自体が低下している可能性が示されていました。

さらに、受粉を担う昆虫や、土壌中で植物の栄養吸収を助ける微生物も、温暖化の影響を受けやすい存在として紹介されていました。気温上昇が続けば、森林だけでなく農業や食料生産にも波及する懸念があるとされています。

この記事を通じて感じたのは、温暖化対策や森林保全を、単独の課題として捉えることの難しさです。木々、動物、昆虫、微生物が互いに支え合う関係が崩れれば、その影響は連鎖的に広がります。森林を守るとは何を守ることなのか。見えにくい「つながり」に目を向ける必要性を、最新の科学が静かに示しているように思われました。

日経新聞 2026年2月1日 朝刊サイエンス面
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO94131720R30C26A1TYC000/?fbclid=IwY2xjawPs7kBleHRuA2FlbQIxMQBicmlkETFCaVRNa0tpMEpQZ2dzRGJXc3J0YwZhcHBfaWQQMjIyMDM5MTc4ODIwMDg5MgABHmnMYzzMlhlFNqt2yKV6lI8lH_gDYQI9cKclynXEVZ1E--oIe6hE28zfu5DY_aem_knfYpwgLnKumzIPUugFyag

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