ダークエネルギーの謎に迫る 宇宙はどうなる

日経新聞サイエンス面に壮大な宇宙に関する記事が掲載されていました。ご紹介します。

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私たちが住む宇宙の未来を考えるとき、その行方を決める鍵となるのは「ダークエネルギー」と呼ばれる謎のエネルギーです。このダークエネルギーが宇宙の約70%を占めていると言われていますが、その正体は未だ解明されていません。この不思議な存在が、宇宙の膨張を加速させているのです。
最近の国際研究プロジェクト「暗黒エネルギー分光装置(DESI)」による観測結果が発表されました。DESIは2021年から本格的に観測を開始し、宇宙の銀河やクエーサーと呼ばれる非常に明るい天体の光を捉えて、宇宙の膨張の様子を詳しく調べています。今回の成果は、宇宙の膨張速度が従来の理論モデルと異なっている可能性を示唆しています。具体的には、宇宙の膨張がこれまで考えられていたよりもゆっくりであるかもしれないのです。
この結果が示すものは何でしょうか。東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構の村山斉特別教授は、「ダークエネルギーが一定の性質ではなく、変化する可能性がある」と説明しています。従来の理論では、ダークエネルギーは宇宙の膨張に伴って増加するはずでした。しかし、今回の観測では、膨張に伴ってダークエネルギーがそれほど増えていないことが示されました。もし、宇宙の膨張の加速が今後も弱まるとすれば、将来的には宇宙が縮小に転じる可能性もあります。
DESIの観測はまだ始まったばかりです。今後5年間でさらに多くの銀河やクエーサーを観測し、より詳細な宇宙の地図を作成する予定です。この地図が完成すれば、ダークエネルギーの性質や宇宙の膨張の歴史について、より深い理解が得られることでしょう。
さらに、国内でも新たな観測計画が進行中です。東京大学と国立天文台は、ハワイ島のマウナケア山頂にあるすばる望遠鏡を用いて、2025年から銀河の観測を開始する予定です。すばる望遠鏡は口径が約8メートルと大きく、DESIでは難しい遠方の銀河を観測することができます。村山教授は、「古い時代の膨張を精度よく観測できる。DESIと両輪となり、ダークエネルギーの正体の解明につながるのではないか」と期待を寄せています。
宇宙の未来を知るためには、ダークエネルギーの謎を解き明かすことが不可欠です。そのために、多くの科学者たちが日々観測と研究を続けています。私たちも、彼らの努力と成果に注目し、宇宙の神秘に思いを馳せてみませんか。もしかすると、私たちが生きているうちに、宇宙の未来について新たな驚くべき発見がもたらされるかもしれません。

 

2024年8月4日 日経新聞朝刊サイエンス面
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOSG2137G0R20C24A5000000/?fbclid=IwY2xjawEdPmdleHRuA2FlbQIxMQABHVBNIjo91xEloY1K3GETKwCDhvotd-ekE_X2LRGC72N_XmlSlwfIa9qH2g_aem_RAurxFLXZ-E3EByQUbAzjQ

 

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