昆虫の性比変化に細菌が関与

自然界には、私たちが想像もしない不思議な現象が広がっています。その一つが、昆虫の性比変動です。最近、農業・食品産業技術総合研究機構や福井大学などの研究チームが、自然界で昆虫群がメスに偏る過程を初めて観測しました。この現象は、「ボルバキア」という細菌の影響によるものだそうです。
ボルバキアは、昆虫の約4割が持つ細菌で、性別決定に影響を与えることで知られています。研究チームは、石垣島に生息するミナミキチョウを2015年から2022年まで追跡しました。当初、オスとメスの比率はほぼ1対1でしたが、2019年からメスの割合が増え始め、2022年には93%超がメスとなりました。この急激な変化は、ボルバキアの影響であると考えられるそうです。
ボルバキアは母親から卵に感染し、次世代に受け継がれます。この細菌はオスの昆虫にとって致命的なことが多く、オスを殺すことでメスの割合を増やします。
この研究は、昆虫の生態学的な理解を深めるだけでなく、農作物に被害を与える害虫の性比を操作することで、害虫駆除の効果を高められる可能性があります。
さらに、研究チームはミナミキチョウがどのようにして性比を元に戻すのか、観測を続ける予定だそうです。自然界は常に変動しており、昆虫たちもその変化に適応しています。ボルバキアとの関係もその一つで、長い進化の歴史の中で築かれてきました。奥深いですね。

日経新聞 2024年6月2日 朝刊サイエンス面
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOSG296TL0Z20C24A5000000/?fbclid=IwZXh0bgNhZW0CMTEAAR2r0sBKCOlskw4yvrp039IffOuPRMoknpz8K5hO-WQgp56uCZzuWvf5J70_aem_ZmFrZWR1bW15MTZieXRlcw

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