生成AIは科学を加速させるのか、曇らせるのか

2026年2月1日の日経新聞に興味深い記事が掲載されていましたので紹介します。

記事が扱っていたのは、生成AIが医学研究論文の世界に及ぼしつつある影響です。海外の研究チームが医学論文の要約文を大規模に分析したところ、近年、生成AIが使われたと推定される論文が一定の割合に達している可能性が示されたと報じられていました。特定の語彙の使用頻度が、対話型AIの公開以降に顕著に増加していることが、その根拠とされています。

背景として触れられていたのが、論文投稿数の急増です。主要なプレプリント投稿サイトでは投稿数が年々増えており、研究者数の増加に加え、AIによって論文執筆のハードルが下がったことも要因の一つと考えられているようです。その結果、査読を担う研究者の負担が増し、論文の質を十分に見極めることが難しくなっている現状が紹介されていました。

一方で、記事はAIを全面的に否定しているわけではありません。仮説の立案やデータ解析など、研究の効率を高める手段としてのAI活用には大きな利点がある点も、冷静に整理されています。ただし、論文執筆そのものへの利用については慎重な意見が多く、国際的な調査でも賛否が分かれている状況が示されていました。

論文数の増加が、研究の質の評価を難しくし、結果として信頼性や情報の受け取り方に影響を及ぼす可能性がある――記事全体を通して、そうした問題意識が静かに共有されていたように思います。生成AIを研究にどう位置づけ、どのようなルールの下で使っていくのか。科学の発展と信頼性を両立させるための議論が、いま改めて求められていることを考えさせられる内容でした。

日経新聞 2026年2月1日朝刊1面
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOSG088I20Y5A001C2000000/?fbclid=IwY2xjawPs6K1leHRuA2FlbQIxMQBzcnRjBmFwcF9pZBAyMjIwMzkxNzg4MjAwODkyAAEe7MuC_aP1G40m3vCRfCm5R1FykXETdtHO71x_1-rSd2pMS9Ys-u-AlvitbTo_aem_hpm67B-aig86c91Qfn2ckQ

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