「花咲かじいさんの灰」開花 ー収穫時期を操り温暖化対策ー
名古屋大学の中道範人教授らの研究グループは、花を咲かせるタイミングを操作する化合物の開発を進めているそうです。地球温暖化の影響により、開花を前倒しすることで農作物の収穫量を増やすことができると考えられています。開花を前倒しする化合物を植物にかけるだけで夏の前に収穫できる農作物を育てることが可能で、北海道などの寒冷地で南国フルーツを栽培することも夢ではないそうです。現在、開発中の化合物は、植物の体内時計の部品となる分子に働きかけ、針を早く進めたり遅くしたりするもので、植物だけに作用する化合物を探す計画だそうです。
技術開発を急ぐ理由の一つが地球温暖化で、気温上昇で夏が過酷な暑さになってしまう地域では、コメなどの農作物が枯れてしまうリスクが高くなります。開花を前倒しすれば、暑くなる前の収穫が期待できるそうです。
ほかにも年に1回しか花を咲かせない農作物を何度も実らせて、収穫量を大幅に増やせる可能性もあるそうです。
一方、名古屋大学の辻寛之教授らは植物のたんぱく質「フロリゲン」の働きを調節し、「咲かせない」研究を進めているそうです。コマツナやハクサイなどの葉物野菜は花が咲くと硬くなります。バイオマス燃料に使うサトウキビは花をつけると成長が止まるそうです。「花が咲かない」化合物を吹きかければ、原理上は葉物野菜の品質を保ったり、燃料の原料を増やしたりできると考えられています。
出張に行くとその地の食材をいただくのが楽しみです。京都でも九条ネギやすぐき漬などの名産品がなくなってしまうと残念ですね。未来の花咲かじいさんへの期待しています。
日経新聞 3月19日朝刊サイエンス面
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC064NJ0W3A300C2000000/
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