知の再生 鍵は人材選抜

日経新聞のサイエンス面に「サイエンスNext Views」というエッセイが掲載されています。
今週は「日英独の研究環境を比較調査」を解説していました。非常に興味深い記事でしたのでご紹介します。

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近年、日本の科学研究は多くの課題に直面しています。文部科学省の調査報告書によれば、優秀な若手研究者を選抜し、研究に専念できる環境を整える必要が強調されています。
英国とドイツの大学では、優れた人材を早期に見抜き、研究に専念させる仕組みが整っています。例えば、英国では「ラインマネージャー」が教員を評価し、研究と教育の割合を調整しています。ドイツでは教授昇格時の選考が厳格です。一方、日本の大学では多くの教員が研究、教育、産学連携など多岐にわたる業務を同時にこなしており、研究に充てる時間が減少し、研究力の低下に繋がっています。
名古屋大学が「卓越教授制度」を導入するなど、優れた人材を優遇する動きもありますが、全体としてはまだ不十分です。科学技術予測・政策基盤調査研究センターの伊神正貫センター長は「教育や産学連携を担う教員を切り分けて、優秀な人材が研究に専念できる環境を構築することが重要」と指摘しています。
また、地方大学や私立大学にも特定の分野で国際的にリードする研究者が存在します。例えば、長崎大学は微生物学や免疫学で、琉球大学は植物学や動物学で国内上位に入る研究者を擁しています。これらの大学にも十分な研究費や人員を手当てすることが求められます。
日本の科学研究の未来には、優れた人材を評価し、研究に専念できる環境を整えることが不可欠です。英国とドイツの成功事例を参考にしつつ、日本独自のシステムを構築し、全体としての研究力を底上げすることが期待されます。

 

2024年7月28日 朝刊サイエンス面
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO82378160X20C24A7TYC000/?fbclid=IwY2xjawEdM35leHRuA2FlbQIxMQABHZKfGE_w94SUCCiKClombCglSAhIesMYE4ixR9T4QWbNkitcywjJ2Q–1Q_aem_2UDM6ZBOufV-c3QGSHFc2A

 

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