鏡の中の自己:魚たちの知恵

大相撲9月場所も若き関脇大の里の優勝で幕をとじ、大銀杏が間に合わない大関昇進かと話題になっています。わが家の女性陣が「推し」の宇良関も勝ち越して家庭の平和が維持されています。後はタイガースの逆転アレンパを期待する次第です。

日経新聞朝刊のサイエンス面(2024年9月22日)に掲載された記事をご紹介します。

大阪公立大学の研究で「ホンソメワケベラ」という魚が鏡を利用して自分の体の大きさを確認する行動をとることがわかりました。実験では、水槽内に鏡を設置し、魚が自分を映している様子を観察した結果、鏡を見た後の魚は、自分より大きい個体や同程度の大きさの個体に対する攻撃時間が短くなることが確認されました。これは、魚が自分の姿を認識するだけでなく、相手との戦いにおいてもその情報を活用している可能性を示唆しています。

この行動は、大相撲で活躍する小柄な力士たちの戦い方にも通じるものがあります。特に宇良関のような小兵力士は、力勝負はどうしても不利です。相手の特徴をしっかり見極めて、その状況に合った戦略を使って挑んでいます。ホンソメワケベラが鏡で自分の大きさを確認してから、相手に応じたアプローチを調整するように、小兵力士も自分の体格や技を理解し、相手の力や体格に合わせて戦術を工夫しています。特に宇良関は、そのスピードや技を活かして、大きな力士にも果敢に挑み、見事に勝利を掴むのが魅力です(わが家の女性陣談)。

ホンソメワケベラの研究は、魚類の自己認識能力に関して新たな視点を提供します。これまで自己認識能力は主に哺乳類や鳥類の一部に限られていました。例えば、チンパンジーやイルカ、カササギなどが鏡に映った自分の姿を認識することが確認されていますが、魚類での同様の行動は非常に新しい発見です。自己認識を超えて、他の個体との闘争にまでその能力を応用している点は、動物の認知能力の幅広さを示すものです。

この発見は、単に魚の行動を理解するだけでなく、動物全般の認知能力や進化についての理解を深める重要なステップとなるでしょう。魚類が自らの姿を認識し、それを行動に活かすという現象は、私たちが動物の知性を再評価する契機にもなります。魚の世界にも戦略があり、その戦略が人間社会で見られる力士たちの戦いに通じる点は、非常に興味深いものです。

今後、この研究がさらに進展することで、動物行動学や進化論にどのような新たな視点をもたらすか、注目されます。ホンソメワケベラと小兵力士、双方に共通する「小さな体格だからこそ発揮できる戦略」の可能性注目です。

日経新聞 2024922日朝刊サイエンス面
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO83617970R20C24A9TYC000/?fbclid=IwY2xjawFe83JleHRuA2FlbQIxMQABHd8E5oOmSH2P4_8bqVTOop-R9iv8eKxgk0JX0qNGWYs3K8dlULxnhOwB4g_aem_39yY_LcAYESRmbE_ivYckQ

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