わたしが毎晩、酔いつぶれるのは当たり前?

昨年(2022年)のノーベル生理学・医学賞の授賞テーマの「古代ゲノム学」が代表するように、現代人の体質や病気のなりやすさを探る「進化医学」が脚光を浴びているそうです。骨や歯に残る「古代DNA」の分析技術の進歩とデータ解析の進化から、日本など東アジアに多いお酒に弱い体質は、実は特定の病気に強くなるためヒトが進化した結果なのかもしれないと考えられています。
お酒(アルコール)は体内ではアセトアルデヒドに、さらに酢酸にする2段階で分解されます。お酒に弱いのは1段階目が速かったり、2段階目が遅かったりして有毒なアセトアルデヒドがたまりやすいことが要因となります。日本人の9割以上は1段階目の「弱い」タイプで、さらに2段階目も「弱い」人がいるそうで、両方が弱いタイプは東アジア以外では珍しいタイプとなるとのことです。
お酒に弱いというのはアセトアルデヒドが体内にたまりやすい体質といえます。血中アセトアルデヒド濃度が高いと、赤痢アメーバなどの寄生虫への感染を軽減でるという仮説があります。この進化が感染症を防ぐためなのかはまだ明確には分からないそうです。
東北地区や高知、沖縄にはお酒に強い人が多いと聴きます。遺伝子解析サービス企業の利用者調査によると、東北や沖縄はお酒に強い遺伝子タイプの人が多く、中部や関西は少なかったそうです。
日本人の地域差には「二重構造モデル」という定説があるそうです。弥生時代に大陸から日本列島に来た「渡来系弥生人」が列島中央部に広がり、縄文系の人々と混血が進み、2段階目の「弱い」タイプは中国南部で増えたと考えられており、その血が渡来系弥生人に引き継がれた可能性があるそうで、「縄文人はお酒に強く、渡来系弥生人は弱い」となるのですが、まだデータ数が足りていないので、今後の研究成果が待たれます。
ちなみにわたしは、両親ともに名古屋(中部地区)生れです。

 

日経新聞 10月8日朝刊 サイエンス面
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC303G30Q3A930C2000000/?fbclid=IwAR1ZRAOdeVHVkN39ecDLJfKjoAIyj3f9BFustxJ7L7-Xg7iBIp5sMMHllPg

 

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