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60万円の壁:科学研究における資金配分の限界と課題
3月9日の日経新聞朝刊サイエンス面「サイエンスNextViews」にとても気になる記事が掲載されていました。
最近、令和7年度学術変革領域研究の内示が出されたタイミングで興味深い物でしたのでご紹介します。
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日本の大学における研究資金の現状を巡り、注目すべき問題が浮き彫りになっています。近年、大学教員が個人で使用する研究費が「60万円以下」である場合が多く、その金額が研究の自由度や可能性をどこまで制限しているのかが議論されています。この「60万円の壁」は、日本の研究環境における資金配分の限界と課題を象徴していると言えるでしょう。
2024年12月に文部科学省科学技術・学術政策研究所が発表した調査結果によると、大学教員が自由に使用できる個人研究費は計3652億円で、これは統計上の研究開発費の1割強にあたります。しかし、その配分には大きな偏りがあり、教員の半数が個人研究費として60万円以下を受け取っている実態が浮かび上がっています。さらに、このうちの20%強は個人研究費を「0円」としていることが分かっています。
その一方で、上位2割の教員には個人研究費の77%が集中しており、高額な研究費が特定の研究者に集中している実態が浮き彫りになっています。このような状況では、特に若手研究者や萌芽的な研究を行いたい教員が、必要な資金を得ることが困難になり、研究の幅が狭まってしまう可能性が高いのです。
また、競争的資金の採択率は低く、特に広く応募できる「科学研究費助成事業」でも、採択率は2割台を推移しています。この現状に対して、日本学術会議は個人研究費に関する報告書をまとめ、基盤的な研究費は競争的に得るものではなく、一定額の個人研究費を一律に分配すべきだと提案しています。これには、多くの研究者が賛同しており、自由な発想や革新的な研究を支えるために、安定的かつ柔軟な資金配分が必要だという声が高まっています。
一方で、法人化後の大学には新たな学科設置や企業との連携を促進する狙いがあったものの、財政難や国の方針転換により、自由な研究を支える仕組みが損なわれてしまった側面もあります。大学が独自に使用する研究費の確保に苦しむ中で、大学教員が持つべき研究資金の柔軟性が失われつつあるという指摘は、今後ますます重要になってくるでしょう。
これらを踏まえると、重要なのは「60万円」という額が適切かどうかを議論することではなく、研究分野ごとに異なる特性や必要な資金の額に応じて、柔軟で多角的な資金配分が求められているという点です。研究者が自分のアイデアを自由に実現できる環境を作るためには、単に資金を確保するだけでなく、資金の配分方法そのものに工夫を凝らす必要があると言えます。研究者一人一人が独自のアプローチで研究を進めるためには、安定した資金が不可欠であり、その配分が公平かつ効果的に行われることが求められます。
最終的には、研究者が自由に発想し、創造的な仕事ができる環境を整えるためには、資金配分の方法に対する抜本的な見直しと改革が必要だということです。各分野における研究環境をより充実させるためには、柔軟で多角的な資金配分が重要な課題となるでしょう。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO87217470Y5A300C2TYC000/
https://www.nistep.go.jp/…/sti…/vol-10no-04/stih00389
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